こだわり

想い

〜食(しょく)〜

我家は3人の男の子を授かりその次男が1歳半ぐらいの時、卵アレルギーだとわかりました。

私は“運が悪かったな”くらいにしか思わなかったのですが、妻は違いました。

“自分のせいだ、妊娠中の食生活の乱れが子供のアレルギーの原因だ”と言ったのです。

今思えば、食に携わる仕事に就いていながら、正直それまで食に関して無関心だったと思います。

それから食に興味を持ち、本を読んだり講演を聴いたりしながら少しずつ知識も増えてきました。

食の欧米化のこと、食品添加物のこと、環境のこと・・・一言に食と言っても奥が深くまだまだ勉強不足です。

ですが常に思うことは醸造という日本の伝統食に携わることができて良かった、自分が醤油屋で本当に良かったということです。

こんなことを想いながら・・・・・醤油屋やってます。

〜親しみのある商品づくり〜

地産地消や生産者の顔が見える商品、といった言葉をよく耳にします。

昔なら当たり前のことが、今では難しいことになってしまっています。

手作り醤油、味噌を作るための大豆、小麦、米、塩といった原材料はできるだけここ浜松に近いところから入手しようと考えています。 地産地消、もっと言えば近ければ生産者の顔だけでなく畑やそこでの仕事ぶりも見えるのではないかと考えるからです。

生産者とコミニュケーションが取れたら最高だと思います。

そして原材料を加工する私も、買いに来て下さるお客様とコミニュケーションを取り、またこのホームページで仕事ぶりや想い(かなり私生活をさらけ出している部分もありますが)を見ていただけたらいいなと思います。

そうして手にしたお醤油やお味噌には物語があるのです。

「このお味噌は寺島町のちょっと変わった虎岩という男が作り、そこで使う大豆は、○○町の畑で△△な□□さんが丹精込めて作ったもので、お米は・・・」生産者の顔だけでなく、性格や仕事ぶりや想いまでわかって親しみがわく商品が作れたらどんなにいいだろう、と私は想います。

まだまだ時間がかかりそうですが地道に進んで行きたいと思います。

〜商品名について〜

3人の男子を授かり、名前は太朗(たろう)、礼央(れお)、永祐(えいすけ)といいます。

ここに私たち夫婦の博之(ひろゆき)と亜紀子(あきこ)を加え、5人の頭文字をとるとT R E H Aとなり、並べ替えるとHEARTになります。

(途中までは気が付かず、気づいてからはこうなるように三男を命名したんですけどね)

これが手づくり醤油の商品名『心』の由来です。

家族が仲良くまとまり、常に心を込めてつくり上げる醤油、そんな思いを込めて付けました。

そして、また並べ替えるとEARTHになります。

これが手づくり味噌の商品名『大地』の由来です。

大地に育った大豆と米、その恵みに感謝し美味しさを余すところなく凝縮させた味噌、そんな思いを込めました。

手づくり醤油

おしょうゆの材料は大豆と小麦と塩だけです。
余分なものは入れず、昔ながらの方法でゆっくり、じっくり作ります。

手づくり味噌

おみその材料は米と大豆と塩だけです。
余分なものは入れず、昔ながらの方法でゆっくり、じっくり作ります。

麹づくり

良い麹をつくることが美味しい醤油や味噌をつくる基本です。
仕込んでしまったら寝かすだけ、実際に働くのは麹だからです。
3~4日の麹づくりでは麹菌の繁殖に伴い、約8時間おきに昼夜を問わず手入れ仕事を行います。
昔ながらの木製の麹蓋を使い、麹の温度によって手入れの仕方を調節し、すべての麹蓋に100点満点の麹をつくるのです。
繁殖具合や温度の確かめと手入れ仕事の微調整は機械では不可能だと思います。
麹蓋1枚1枚まるで麹と話をするように手仕事を進めるのです。

つゆの素

既製品のつゆの素は出汁が足りないという声を聞いていたので、出汁をふんだんに取ったつゆをつくりたい、そんな思いから商品開発が始まりました。
まずは昆布選び。
日高、利尻、羅臼、真昆布で出汁を取り味比べ、上品な味付けなら日高など良いのでしょうが、しっかり出汁が出る羅臼を選定。椎茸は国産の原木栽培のもの、香りが違います。
そして鰹には更にこだわり、煮出して味をじっくり出す厚削りと追い鰹で香りを立たせる花かつおの2種類を使用。
エキスなどは使わず、もちろん食品添加物も一切使用していません。
出汁の効いた風味豊かなつゆの素ができました。
醤油に砂糖と出汁がバランスよくマッチしているのでこれ1本で味が決まる、と料理に使う方も多いです。
煮物に、親子丼に、そのまま玉子かけご飯にどうぞ。